ボウフラは蚊の幼虫で、名前の由来は全身を使って棒を振るような泳ぎをすることから(地方によってはボウフリ)といわれています。流れのない汚れた沼や池、水たまりや水の入った容器(睡蓮鉢や水鉢)等、一般的に不衛生な水辺に多く発生しますが、流れがある場所には基本的に生息できません。環境の変化には弱く、水質が変化したり、水がなくなったりすると死滅しやすいといわれています。ボウフラに毒性などの有害情報はありませんが、ボウフラの生息=蚊の発生につながりますので、お庭のビオトープにおいては水を循環するなどして極力ボウフラが生息しないよう予防することをお勧めします。

ボウフラ

                  ボウフラ=蚊の幼虫

ビオトープに発生する藻は大きく分けて珪藻類と藍藻類の2つに分類されます。珪藻類は主に石の表面などに付着し、アユなどの魚が好んで食べる藻です。水質の良い自然の清流にも生息する害のない藻といえます。

一方、藍藻類は主に水中に浮遊して水を緑色に濁し、時には生臭い匂いを発生します。これらは「アオコ」とも呼ばれ、魚にエサを与えすぎたりして水が富栄養化したビオトープなどに発生します。アオコの中には毒素を発生するものもあり、不衛生で有害ですので注意が必要です。(アオコの毒性について詳しい情報はこちら)

「岩に付く藻は大丈夫」「水が緑色に濁りはじめたら注意」と覚えておいてください。

ビオトープの岩に付着した藻類

        ビオトープの石に付着する藻は魚のエサに 

「ビオトープといえばメダカ」というくらい定番で多くの人が親しまれていることと思います。ビオトープでメダカを飼う際に1つだけ注意して欲しい事、それは「エサやり」をしないという事です。

ビオトープでメダカを飼い始めたとたんに水が濁り始めることがありますが、これはエサを与えたことによって水が富栄養化し、藻類が繁殖過多になっている状態です。水槽飼育用に市販されている魚のエサの中には水の濁りの原因となる窒素やリンが含まれており、エサを与え過ぎると窒素分のほとんどがアンモニアとして排泄され、そのアンモニア毒でメダカが死ぬこともありますので注意が必要です。

屋内に置かれたガラス張りの水槽内とは異なり、屋外に置かれたビオトープの中には自然に繁殖するプランクトン(藻類)等、メダカのエサとなるものはたくさんありますので、エサを与えなくても餓死することはありません。アトリエに設置してあるビオトープにもメダカが泳いでいますが、一度もエサを与えたことはありませんが元気に泳ぎまわっています。様子を観察してみると、メダカや金魚は石に付着した藻類(コケ)を一生懸命食べて水中を掃除してくれています。つまり、メダカが排泄する→排泄物を栄養としてプランクトン(藻類)が増殖する→増殖した藻類をメダカが食べて水中を掃除する、というのがビオトープ本来の姿(サイクル)なのです。エサやりをするということは、水中の富栄養化と藻類の繁殖過多を招き、ビオトープ本来のサイクルを崩すことに他なりません。メダカが大繁殖してしまったり、アオコが発生して手に負えない状態になってしまった、というトラブルの原因のほとんどは、この「エサやり」です。

メダカを飼う際は、ビオトープが完成して3〜4週間程度そのまま放置し、エサとなるプランクトンが自然に発生するのを待ってから放流することをおすすめします。このようにビオトープ本来のサイクルを作ることにより、人もメダカも快適な環境でビオトープを楽しめるようになるのです。

メダカ

       ビオトープのメダカにエサは与えなくても大丈夫

水生植物とは、河川や湖沼、池などの水中や水辺に生育し、植物体のすべて、あるいは一部を水に浸けている植物の総称です。水生植物は形態と機能から浮標(浮遊)植物、沈水植物、浮葉植物、抽水(挺水)植物の4種類に分類されます。

ビオトープ 水生植物

浮標(浮遊)植物

根が水底に固着せず、

個体全体が浮遊する

沈水植物

植物体が水中に沈み、

水底に根で固着する

浮葉植物

浅い水中に生え、

根や根茎は水底にあり、

葉を水面に浮かべる

抽水(挺水)植物

根は水底にあるが、

葉や茎などの植物体の一部が

水面から外に出ている

水性植物を育てるうえで大切なのは、上図に示すとおり各種類に適した水位です。夏期など水温が高くなり蒸発する恐れがある場合は注意が必要です。ほとんどの水生植物は肥料を必要としません。過剰な肥料分は富栄養化となり、アオコやアオミドロ発生の原因となります。水生植物を固定させるためにビオトープの底に荒木田(田んぼの土)を敷くケースを見かけますが、アクアフォレストが一番最初にビオトープを試作した時にこれを行い、アオコやアオミドロが大発生して大変な思いをしたことがあります。水生植物を固定するのは土ではなく、石などを使用することをお勧めします。

 

水生植物を植栽することで、窒素やリンの吸収、植物体表面に付着した微生物による有機物の分解が期待できます。特に抽水植物は、水質の浄化に役立つとともに魚類や鳥類の繁殖・成育の場にもなります。水質浄化には、栄養分を吸収して繁茂した水性植物を適度に刈り取ることも必要です。

参考:水生植物の販売浅見園のホームページ 

ビオトープの最適な水深は、目的、水面積、水循環量とのバランスによって異なってきます。(ここでいう「最適」とは、常に澄んだ水質を保てる状態のことをいいます)

これまでの経験では、庭に作る一般的な大きさのビオトープ(1〜2㎡程度)において水生植物やメダカ程度の小さな魚を観賞するのであれば、水深は15〜30cm程度あれば十分です。(但し貯水量に見合った水の循環と濾過システムは必要です)これ以上深くすると水が汚れやすくなり、メンテナンスも大変になります。流れを作る際も同様で、あまり深くしてしまうと水の動きが消えてしまい、きれいなせせらぎを楽しむことができません。数字の上で15〜30cmというと浅く感じられるかもしれませんが、実際に水を貯めてみると全く違和感がありません。なぜなら、普段目にしている自然界のビオトープを良く観察してみると、その縁部分はエコトーン(緩やかな傾斜)で構成されているため、水深は10〜15cmと意外と浅いのです。

自然界のビオトープ

エコトーンで構成されている自然界のビオトープ(水深は10〜15cm程度) 

一般的に作られているビオトープは水深を深くしすぎる傾向があり、それが原因となって諸々のトラブルを引き起こしているケースを多く見かけます。 

ビオトープの水質をきれいに保つ重要なポイントとして、池底の石に付着生息する「水質浄化バクテリア」の存在があります。このバクテリアがうまく水質浄化活動するためには「酸素」が必要なのですが、水深が深くなればなるほどバクテリアが生息する底石まで酸素が行き届かなくなり、水質浄化効果は弱くなります。鯉のような大型の魚を飼育する池などの場合は50〜100cmと深くすることがありますが、そのような場合は水面積を大きくし、エアレーションや濾過システムを備える必要があります。一般的に販売されているプラスチック製の成型池(心池やひょうたん池)は水深を30〜50cm程度と深く設計されていますが、その水量に対応できるだけの性能をもった濾過システムを備えなければ、あっという間に水は濁ってしまいます。

インターネットの口コミ等で「水の濁りを防ぐには水深は深いほうが良い」という情報を時々目にすることがありますが、これまでの経験でそのような事実はありません。どうやら常に直射日光に晒されている庭の真ん中にビオトープを作ることを想定し、水温の上昇を防ぐための対策を示しているようなのですが、根本的にそのような場所にビオトープを設計すること自体がトラブルの原因であり、どんなに水深を深くしても澄んだ水質を保つことは困難です。

ビオトープを作る目的が大型魚の飼育であって、水面積と水循環量のバランス、濾過システム、最適な設置場所等がしっかりと設計されている場合を除き、お庭のビオトープでは不必要に水深を深くすることは水を淀みやすくし、アオコを発生させる原因となりますのでお勧めできません。

又、近年ベランダや屋上などの建築物の上にビオトープを作るケースが増えていますが、ベランダや屋上には積載荷重制限(一般的な建物は180kg/㎡程度)がありますので、あまり水深を深くすると水の重量(例えば水深30cmで水の重量は300kg/㎡にもなります)だけで積載荷重制限オーバーになることがありますので注意が必要です。

水質維持機能

     澄んだビオトープに適した水深は15〜30cm程度で十分

都心部ではヒートアイランド現象の緩和対策や省エネルギー対策としてベランダや屋上に緑化を行い、そこにビオトープを作るケースが多くなりました。屋上緑化やベランダ緑化は建築物の上に植物を植えますので、地上のお庭作りやガーデニングと異なり、以下のような注意点があります。単に土を敷いて植物を植えたりすると大きなトラブルになることもありますので十分に注意しましょう。

<目次> 

積載荷重

防水

防根

潅水

軽量土壌 

屋上やベランダでビオトープを作る時に最も注意して欲しいのは「積載荷重」です。 ベランダや屋上には積載できる荷重に限りがあり、これを無視してビオトープを作ってしまうと大変危険ですので注意が必要です。

一般的なベランダや屋上の積載荷重は約180kg/㎡程度です。180kgというとかなり余裕があるように思えますが、例えば水深20cm/㎡のビオトープを作ったとすると、水の重量だけで200kg/㎡(水の比重1×200mm=200kg)となり、積載荷重オーバーとなってしまいます。ビオトープ本体の重量や、周りに植栽する植物、土、石等の重量も考慮し、ベランダや屋上にビオトープを作る際の水深は10〜15cm程度に設計するのが安全です。

               

ビオトープ ベランダ・バルコニー

             ビオトープをベランダや屋上に作る時は「積載荷重」に注意        

当然のことですが、ベランダや屋上でビオトープを作る前に防水は不可欠で、一般的な屋上の防水工事以上に慎重な計画と施工が求められます。一度ビオトープを作ってしまうと、後に雨漏りがしたからといって再度防水工事を行うことは困難ですので、必ず現状の防水診断から入りましょう。

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        ベランダや屋上でビオトープを作る前には必ず防水診断

ビオトープ周りに植栽する植物の根は土壌や植生基盤材を貫通し、酸素と水分のある場所(底部)へと範囲を広げて行きます。その時、防水面を破れば水漏れが発生します。植物の根は亀裂のあるコンクリートや傷ついたシート防水の目地部分等、わずかな隙間でも容易に入り込んでいくため、躯体に達すると構造上大変危険です。こうした問題を防ぐため、防水層の上から防根シートを敷設しなければなりません。防根シートは多くの種類があり、コストによって防根性能も様々ですが、できる限り丈夫なものを使用することをお勧めします。

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             防根シート(エコムガード)

植物には必ず水が必要です。地上でのお庭やガーデニングよりも、もっと気を配らなければなりません。なぜなら日当たりも良く風通しも良く、乾燥による枯れの心配があるからです。緑地規模や屋上の条件(出入りなど)により、人力での水やりが困難な場合、自動灌水装置を用いた散水方法があります。植物の種類や土壌の保水性に適した水やり頻度と量に合わせて自動で植物に水を与えることができます。

      

施工工程

             自動潅水システムを備えると便利

                                    << 12 >> 次のページへ 

ベランダや屋上では軽量な屋上緑化専用の人工土壌や植生用基盤材が必要不可欠です。人工土壌は軽ければ良いというものではなく、保肥力や保水・排水性などが性能として求められます。(土壌に水が蓄積しすぎると根腐れの原因となり植物に悪影響を及ぼします)

屋上緑化 軽量土壌 

               屋上緑化用の人工軽量土壌


※ベランダや屋上でのビオトープ作りは専門的な知識が必要となりますので、信頼できる業者と良く相談することをお勧めします。                                  

ビオトープ失敗例

     大失敗だったビオトープ第一号    

この写真は、アトリエを開設する前に試験用として初めて作った屋上ビオトープ第一号です。当初はビオトープ作りのノウハウや知識は全くありませんでしたので、いろいろと情報を収集しようとしたのですが、ビオトープ作りの専門家や専門書はなかなか見つからず、仕方なく手探りで試作を行った結果、このような不自然な形の滝が完成してしまい、様々なトラブルも発生してしまいました。

<目次>

水漏れ

アオコとアオミドロの大発生

カラスの大群襲来

不自然なデザイン                                                             

ビオトープユニットを構成する素材(水を貯める池や、滝の岩組みに使用する人工岩等)には、あらゆる試験を経て完成させた特殊な超高強度セメントを使用しました。ひび割れや水漏れ等のトラブルだけは発生させない自信があったのですが、完成してしばらくすると、どこからか水が漏りはじめてしまいました。池の中をいくら点検してもひび割れしている部分が見つからず、当初は何が原因で水が漏れているのか分かりませんでした。一年後にビオトープを解体して調べたところ、滝を構成する岩組みの隙間を水が伝わり外に逃げていたことがわかりました。完成後の水の流れ方をイメージできず、手探りで滝の岩を組んでしまったのが原因でした。 

完成してしばらくの間はきれいな水質だったのですが、自然風に仕上げようとしてビオトープの中に入れた土が水を富栄養化しアオコアオミドロが大発生しました。ポンプの吸水口やオーバーフローの排水口を詰まらせてしまい、悪臭を放つのでなんとか除去しようと試みましたが、いくら除去しても次から次へと増えてしまい手に負えない状態になってしまいました。いろいろな濾過材や薬品も使用してみましたがどれもいまひとつ効果が感じられず、水の循環流量を多くしても効果はありませんでした。結局ビオトープ第一号は、最後まで水が澄んだ状態に戻ることはありませんでした。

その後試行錯誤した結果、ある種のバクテリアが強力な水質浄化作用を持っていることがわかり、循環システムと組み合わせて使用してみると、みるみるうちに水が透明に浄化されるようになりました。これ以来、アクアフォレストのビオトープでアオコが発生することはなくなりました。 

ビオトープ アオミドロ

ビオトープの底が見えなくなるほどアオミドロが大発生した 

ある日、ビオトープ第一号の様子を見るために屋上に出て驚いたのですが、ビオトープの水が真っ黒になっていました。よく見ると水が見えなくなる程のカラスの大群がビオトープの中で水浴びをしていたのです。あわてて追っ払いましたが、ビオトープの中はカラスの羽根だらけで水生植物も壊滅状態でした。すぐにいろいろなカラス除けグッズを購入してビオトープ周りに設置したところ、カラスは近くまでは寄ってきても水の中に入ることはなくなりました。しかし、慣れてしまうこともあるようなのでいろいろな方法を模索した結果、ある種の植物がカラス除けになることがわかりました。早速試したところぴたりとカラスが寄ってこなくなり、それ以来カラスのトラブルで悩まされることは無くなりました。

機能的なトラブルではないのですが、やはりビオトープは目で見て楽しむものなのでデザインも大切な要素です。このビオトープ第一号を作ったのはアトリエを開設する前でったので、どのようにデザインしたら良いか分からず、環境デザイナーという人にお任せしてしまいました。しかし、完成してから滝を眺めていると何かおかしな感じがします。ひょっこりと不自然に突き出た山の周りに同じような大きさの岩が人工的に組まれ、その頂点からダラダラと単調に流れ落ちる滝は趣きがなく、見ていて美しさを感じられません。造園的に見れば典型的な失敗作です。 

今となって写真を見ると、どうしてこんな滝を作ってしまったのだろうと恥ずかしくなりますが、当時は美しいデザインの仕方が分かりませんでした。ある高名な造園家にお会いする機会に恵まれいろいろとご指導いただいたのですが、ビオトープを作る時は森の中にある自然の水辺の様子をお手本にすると良いと教えていただきました。例えば滝を作るのであれば、自然の滝は山と山の間の谷に水が流れてできるものだから、滝の両サイドは高くなっていないと不自然な感じになる。又、水はストンと真っ直ぐに落とすのではなく、岩をバウンドして不規則に落とした方が趣きがある等々。その後、実際に森の中にある自然の滝や小川を見に行ったり、水辺の写真集を見て研究するうちに少しずつ自然な水辺の形を表現できるようになりました。この時の経験から、ビオトープのデザインは人任せにせず、全て自社で行うようにしました。

ビオトープ 滝

美しいビオトープを作るなら自然の水辺の様子をお手本にすると良い  

このビオトープ第一号は試作した一年後に解体し、諸々の調査をしたので現在はありません。何も分からないまま手探りで作ったビオトープ第一号は様々なトラブルを発生してくれましたが、同時に様々なトラブルの原因と解決方法を勉強させてくれました。この時の貴重な経験が現在のビオトープ作りに活かされています。

実はビオトープのトラブルの中でも水の濁りは非常に注意しなければいけない問題なのです。水の濁りとはアオコ(抹茶のような緑色に濁る現象)やアオミドロ(ヌルヌルとした綿状の藻類)であることが多いのですが、注意しなければいけないのは「アオコ」の方です。アオコに毒性があることはあまり知られていませんが、子供やペットが不用意にアオコの発生したビオトープに触れることは危険なので注意してください。万一アオコが発生してしまったら放置せず、速やかに水を抜いて天日干しすることをおすすめします。(アオコについての詳しい情報はこちら)

水を緑色に濁すアオコの正体は浮遊性の藻類なのですが、単に水を貯めただけというビオトープなどに良く見られ、水中の栄養分(リンや窒素)をエサにして光合成を繰り返し、夏場は一日で二倍という猛烈なスピードで増殖しますので、一度発生し始めるととても手に負えなくなります。一度アオコが発生してしまってから濾過などを行ってもあまり効果はありませんので、アオコが発生できない環境をあらかじめビオトープに備えておくことが最善の策といえます。アオコが発生する最も大きな原因として、水の富栄養化と嫌気化(よどみ)があげられますが、この2つの対策を行うだけでも随分と水がきれいになります。

具体的な方法としては、富栄養化の原因となる池底の土を取り除き、ポンプ等を用いてビオトープの水量に応じた適切な流量で水の循環を行い(水量に対してあまり少ない流量では効果がありません)、適切な濾過材等を用いて水中の栄養分を常に下げておくことです。

尚、浮遊性の藻類であるアオコは流れのあるところに生息できないから水を循環するだけで十分と言われる人もいますが、<適切な水の循環>と<富栄養化対策>の2つが備わっていなければ、流れがあってもアオコを防ぐことは困難です。

ちなみにアクアフォレストのビオトープは、独自設計の循環システムと強力な水質浄化バクテリアを組み合わせて使用することにより、常に澄んだ水質を保てるようになっています。 

ビオトープ アオコ

       流れがある池に発生したアオコ   

ビオトープに使用する水といえば自然の地下水(井戸水)がふさわしいと思われがちですが、これらの水は透明であってもアオコやアオミドロの原因となる窒素やリンがたくさん含まれていることがあります。特に畑作地帯の地下水は肥料の影響で富栄養化していることが多いので注意が必要です。以前、讃岐うどんの名産地である徳島の老人ホームでビオトープを作った時のことですが、畑作地帯から離れた街中にある施設だったにもかかわらず、アオミドロが大発生してしまいました。水質検査をしてみると5mg/という高濃度の窒素分が検出されました。(通常の水道水の全窒素量は1mg/、都市部の地下水で2mg/、河川で0.2mg/)アオコやアオミドロの繁殖に必要な窒素分は0.2mg/ですので、これらが大繁殖するには十分すぎる水質だったのです。後になって分かったのですが、徳島の街中にはうどん屋がたくさんあり、そこから下水に流されるうどんのゆで汁が川や地下水の汚染を引き起こしていることが判明し、近年問題になっているとのことでした。このように地下水には思わぬ養分が含まれていることがありますので、お庭のビオトープに使用する水はできるだけ水道水を使用することをおすすめします。地下水がビオトープに適しているかどうかを調べたい場合は、市販の検査キットで簡単に水質の検査することができます。

ビオトープ 水

 市販の水質検査キットで窒素、リン等の含有量が簡単に調べられる

蚊の幼虫であるボウフラは流れの無い汚れた池や水溜りに発生します。水がよどみやすい水鉢ビオトープなどでよく見かけますが、いずれ蚊が発生することになりますので衛生的に良くありません。メダカを入れておけばボウフラを食べてくれるとよく言われますが、それよりも効果的なのはポンプなどを使い水を循環させることです。水を循環させることによりボウフラは生息できなくなり、水も汚れにくくなります。ボウフラを食べてもらおうとしてビオトープにメダカをたくさん入れたところ、繁殖しすぎて無数に増えてしまったというケースもありますので、メダカの入れすぎには注意が必要です。

睡蓮鉢

 一見きれいな睡蓮鉢ビオトープ。しかし良く見るとボウフラが・・・

ビオトープの正しい作り方

ビオトープを作る前に必ず読んでいただきたい大切な情報。作り方の注意点やポイント、トラブル例、Q&A等、ビオトープ作りで失敗しないために役立つ情報をご紹介します。

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