機能的なトラブルではないのですが、やはりビオトープは目で見て楽しむものなのでデザインも大切な要素です。このビオトープ第一号を作ったのはアトリエを開設する前でったので、どのようにデザインしたら良いか分からず、環境デザイナーという人にお任せしてしまいました。しかし、完成してから滝を眺めていると何かおかしな感じがします。ひょっこりと不自然に突き出た山の周りに同じような大きさの岩が人工的に組まれ、その頂点からダラダラと単調に流れ落ちる滝は趣きがなく、見ていて美しさを感じられません。造園的に見れば典型的な失敗作です。 

今となって写真を見ると、どうしてこんな滝を作ってしまったのだろうと恥ずかしくなりますが、当時は美しいデザインの仕方が分かりませんでした。ある高名な造園家にお会いする機会に恵まれいろいろとご指導いただいたのですが、ビオトープを作る時は森の中にある自然の水辺の様子をお手本にすると良いと教えていただきました。例えば滝を作るのであれば、自然の滝は山と山の間の谷に水が流れてできるものだから、滝の両サイドは高くなっていないと不自然な感じになる。又、水はストンと真っ直ぐに落とすのではなく、岩をバウンドして不規則に落とした方が趣きがある等々。その後、実際に森の中にある自然の滝や小川を見に行ったり、水辺の写真集を見て研究するうちに少しずつ自然な水辺の形を表現できるようになりました。この時の経験から、ビオトープのデザインは人任せにせず、全て自社で行うようにしました。

ビオトープ 滝

美しいビオトープを作るなら自然の水辺の様子をお手本にすると良い  

このビオトープ第一号は試作した一年後に解体し、諸々の調査をしたので現在はありません。何も分からないまま手探りで作ったビオトープ第一号は様々なトラブルを発生してくれましたが、同時に様々なトラブルの原因と解決方法を勉強させてくれました。この時の貴重な経験が現在のビオトープ作りに活かされています。

ビオトープの正しい作り方

ビオトープを作る前に必ず読んでいただきたい大切な情報。作り方の注意点やポイント、トラブル例、Q&A等、ビオトープ作りで失敗しないために役立つ情報をご紹介します。

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