失敗しないビオトープ作りの法則
前のページでは「ビオトープ作りでやってはいけない三原則」をご紹介しましたが、これらを守りさえすれば全て上手く行くというわけではありません。
このページでは、ビオトープ作り専門のアクアフォレストがプロの視点から失敗しないビオトープ作りに必須なポイントをご紹介します。
1.防水シートやモルタルを使用しない
ビオトープの防水についてのページで詳しく説明していますが、これらの材料に耐久性は期待できません。業者に依頼したにもかかわらずこれらの材料を使用して作った結果、水漏れして水が貯まらなくなってしまった、というお困り相談をこれまで嫌というほど聞いてきました。せっかくお金をかけてビオトープを作っても水漏れしてしまってはストレスしか残らないでしょう。一般の方がDIYで作ったのでは仕方ありませんが、プロが作る以上水漏れは許されませんのでアクアフォレストはこれらの材料を使用することは絶対にありません。
2.生物濾過を行う
やってはいけない三原則その1「土を入れる」のページで詳しく解説していますが、人工的に作るビオトープには自然界のようなろ過機能はありませんので、常に澄んだ水質を保つには濾過は必須です。濾過には大別して物理濾過と生物濾過の2種類がありますが、ビオトープにとって特に重要なのは生物濾過の方です。生物濾過とは微生物の力によって水中の有害成分(アンモニア類)を分解し消滅させるという自然界と同様の水質浄化機能です。この生物濾過効果を最大に発揮するには、ミクロ単位の微生物をいかにビオトープ内に定着させられるかが重要なポイントなのです。仮に高価な物理濾過機等を使用しても生物濾過に勝る濾過はありません。生物濾過がしっかり機能しているビオトープには水が緑色に濁るアオコが発生することはありません。
3.水質浄化用微生物(バクテリア)を使用する
ビオトープが完成し水を貯めると様々な微生物が自然に発生し始めます。この微生物の中には水質を浄化してくれる善玉の他に、水質を悪化させる雑菌やプランクトンも含まれています。善玉微生物だけが先行して増殖してくれれば良いのですが、なかなかそのように都合良く行くものではありません。善玉微生物を素早く増殖させる方法として、アクアフォレストでは良質な微生物をバランス良く凝縮配合した水質浄化用微生物(通称バクテリア)を利用しています。バクテリアはアクアリウムには欠かせないアイテムで様々なものが市販されています。あらゆるメーカーのバクテリアを取り寄せテストしてきましたが、効果が全く無い物、効果はあるものの価格が高すぎて使い切れない物、匂いが臭くて使い物にならないもの等様々でした。ちなみにアクアフォレストでは、テストした中でも最も効果があり、尚且つコストパフォーマンスに優れたバイオエースという物を使用しており、お客様にも定期的に投入していただくようお勧めしています。

実はこのバイオエースというバクテリア、鯉の飼育場やアクアリウムのマニアユーザーの間では有名なようで、本当にそのような良いものがあるのか、その真相を確かめるべく栃木の研究所まで見学に行ってきました。研究所というとテーブルの上で試験しているだけなのかと思っていましたが、研究所の敷地内にはいくつもの池があり、そこで実際に鯉等様々な魚を飼育しながら研究をしているようでした。早速テストを行ったその結果、アクアフォレスト式濾過システムと見事に相性がマッチし池底の小石一粒一粒がはっきりと確認できるほど透明感ある水質を維持することが容易となりました。
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元々は鯉の養殖場やアクアリウムでの実績が多いようですので、これらに使用するバクテリアをお探しの方はお試しになってみてください。一般の方でもネットで販売しています。
4.適切な水量で循環を行う
生物濾過効果を発揮させるためには水の循環が必須ですが、ただ循環させれば良いというわけではありません。循環させる水量が少な過ぎると生物濾過効果が落ち、水量が強過ぎると底面に沈澱した窒素分を巻き上げてしまいかえって水質を悪化させてしまいます。アクアフォレストでは、ビオトープの面積や貯水量、深さによって循環水量を微調整しています。
5.適切な植栽を施す
アクアフォレストがビオトープを作る時には必ず周囲に樹木を植栽します。植栽は景観を作るだけでなく、水質浄化にも一役買っているのです。先述の通り適切な生物濾過が行われているビオトープは水中の栄養分(アンモニア類)が分解されますのでアオコが出ることはありませんが、アオミドロはわずかな栄養分と日光があれば繁してしまいます。アオミドロに毒性はありませんが、増え過ぎてヘドロ化すると悪臭を放ちます。アオミドロを防ぐにはある程度の日陰を作る必要があるのですが、森の中にある自然界の水辺をイメージしながらビオトープ周りに植栽を施すと、自然に適度な日陰を作ることができます。