ビオトープの施工を業者に依頼する場合、造園業者に依頼するケースが多いようですが、造園業者であればどこでもビオトープを作れるというわけではありません。

ビオトープを作るには以下の3つの技術と知識が必要になります。

①造園技術

②防水技術

③水質浄化技術

造園技術とは、立派な日本庭園を造れるという技術ではなく、ビオトープにふさわしい樹木や草花をセンス良く選択し、きちんと育つよう適所に植栽したり、お庭の雰囲気にマッチした水辺をデザインする技術のことですが、これは造園業者の専門分野内です。

注意しなければいけないのは、残りの2つ(防水技術、水質浄化技術)は造園業者の専門外ですので、この2つの技術をきちんと兼ね備えているかを見極めるのが大切なポイントとなります。

「業者にお願いしてビオトープを作ったのに水漏れしてしまった」「いつまでたっても水が濁ったままで汚らしい」等々、アクアフォレストにはこのようなお困り相談の電話があるのですが、これらの業者に共通するのは防水と水質浄化の技術が伴っていないということです。

関西のある地域では学校にビオトープを作る際に役所から助成金が支給されていたのですが、この助成金を目当てに、技術を伴わない業者が多くの学校でビオトープの施工を行いました。ところが1年もすると水が貯まらなくなりビオトープが消滅してしまった、というマンガのようなケースが多発しました。詳しく状況を聞くと「DIY用の防水シートを使用したら水漏れが発生した。修理したくても修理の仕方がわからない」と、何ともお粗末な言い訳を業者はしているそうです。ひどいケースでは「ビオトープとはそういうものだ」といってクレームに取り合ってくれない業者もいたそうです。見かねた役所はとうとうビオトープの助成金を止めてしまいました。同業者として非常に残念なことですが、このようにお客様に悲しい思いをさせる悪質な業者が存在することは否めません。

それではこのような失敗をしないためにどのような業者を選べば良いかというと、ズバリ「ビオトープ作りを専門に行っている業者」を選ぶことです。「ビオトープは何回か作ったことがあるから大丈夫」という業者では話になりません。これまでのページで何度も説明してきましたが、ビオトープ作りには専門的な技術やノウハウが必要ですので、専門外の業者が片手間にやって上手くいくものではありません。

ビオトープ作りの専門業者であるか否かは、その業者のホームページを見れば一目瞭然でしょう。専門業者であれば豊富な施工事例や技術的な説明が細かく載っているはずです。自分が求めているイメージに近い施工事例が載っているか、十分な経験と技術を持っていそうか、丁寧に仕事をしてくれそうか等、業者を選ぶ前にしっかりと読み取ってください。どんな仕事も同じですが、ビオトープ作りは経験豊富な業者にお願いするのが一番安全です。

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ビオトープの正しい作り方

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