「アオミドロ」はアオコと混同して間違われることがありますが別の物です。アオコは微粒子状の藻体を水中に浮遊させ水を濁すような状態で繁殖するのに対し、アオミドロは綿状の藻体を池底に作り、さほど水を濁すことなく繁殖します。

もし澄んだ水の中にもやもやとした綿状の藻があったら、それはアオコではなくアオミドロでしょう。

アオミドロ

澄んだビオトープに発生したアオミドロ

アオミドロにはアオコのような毒性は報告されておらず、適度に繁殖する分にはむしろ正常な状態であり問題ありませんが、異常に発生してしまうと景観を損ねたり、死滅したアオミドロがヘドロ状に蓄積したりといったトラブルを発生させる可能性があります。

アオミドロは少しの栄養と光があれば繁殖でき、更に一度繁殖しはじめると栄養分がなくても繁殖し続けられるようなので厄介です。

下の2つの写真はきれいな湧水で有名な安曇野へ旅行に行った時に撮ったものですが、ワサビ畑の水は澄んだ状態なのに、水路でつながっている隣接の湧水池の方だけにアオミドロが発生しています。水源は同じであるにもかかわらずどうしてこのような違いがでるのでしょうか。ワサビはきれいな水でしか育たず熱に弱いそうですが、ワサビ畑はかなり早い流れで水を循環させており、更に畑の上に黒いネットを張りめぐらせ遮光してありました。一方、湧水池の方は水の流れは緩やかで、周りには日陰を作るような木が少なく常に日光に晒されている状態でしたので、湧水に含まれるわずかな養分と日光だけで少しずつ繁殖したものと考えられます。このようにアオミドロはワサビ畑のような清水でも発生してしまうのですから、ビオトープでアオミドロの発生を防止するにはアオコ以上にしっかりとした対策を施す必要があります。

対処方法としては、アオコと同様にアオミドロが発生しやすい春先から夏の間、水の富栄養化防止と水の循環をしっかり行い、植木の配置を工夫して日光の照射を制限するなどして事前に繁殖を防ぐことが最善策といえます。

安曇野

澄んだ水のワサビ畑

アオミドロ

アオミドロが発生した隣接の湧水池

ビオトープの正しい作り方

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